10月12日(3日目) 快晴、10°C
この日は蚤の市の後電車でバーデンへ行く予定だったがオペラ座からの路線がクローズしていたので予定変更。
土曜日の早朝から開かれるナッシュマルクトの蚤の市へお宝を探しに出かけた。
よく晴れて気持ちの良い日。ぶらぶら見て歩くだけでも楽しい!
高価なアウガルテンも交渉次第でとてもリーズナブルに買える。
物にも寄るけれど、あまり値切るのは品がないと思われるそうで
値段交渉は2度までと決めている。
コロナ禍以前に比べると結構ガラクタが増えてきて
蚤の市の質も落ちてきているような気がした。
お隣のマーケットで水分補給にブドウを一房買い頬張る。
食べ歩きも海外ならでは、、、
ナイアガラとも違う、小ぶりで黄色みを帯びた少しくすんだ葡萄をよく見かけるが
とても甘くて美味しい!大好きなロココ時代の画家のシャルダンや
ファンタンラトゥールの描く葡萄の画を思い出す。
日本では見かけないような葡萄もあってワインの国ならではですね。
マーケット近くにはシューベルトの最後の家があるが
水曜と木曜のみの開館なのと、以前見学しているので外観を眺めただけ。
この建物にて音の詩人フランツ・シューベルトは息を引き取る。と記されている。
1828年9月1日に兄フェルディナンドの家に移ってきたシューベルトは既に病に侵されていてその数ヶ月後に31歳で亡くなった。あまりにも短い人生で可哀想すぎる。病気に関しては腸チフスとか梅毒とか諸説ある。生家のある市内の家でヒビの入ったメガネを見たときには涙が出そうになった。
オペラ座前でバーデン行きの電車を待ったがなかなか来ない?!
停留所前のソーセージスタンドのお兄さんに聞いたら、
11月までオペラ座線はクローズしているよと、、別路線でも行けるらしいけど、
慣れないことに神経を使いたくないので今回は諦めることにした。せっかく往復のチケットを買ったのに使えず残念。記念にとっておこう。
予定を変更、、、
どうしようかとオペラ座周辺をウロウロ、、
ハプスブルク家の歴代の皇帝の遺骨が収められている納骨堂、カプツィーナ礼拝堂に出た。
あの皇妃エリーザベトもここに眠っている。
フィアカーと呼ばれる観光馬車
馬の蹄の音を聞くと、あ〜、ウィーンに居るんだワという実感が湧いてくる。
歩き疲れたので、
ため息が出るほど美しい美術史美術館のカフェでひとやすみ
りんごの美味しい季節なので、
アッフェルシュトゥルーデル& レモネードを注文。
貧しい家の3人の若い女性に聖人ニコラウスが行く末を案じて
金貨(金のボール)を差し出す場面らしいが、どうということもなくこの色合いが大好き!
その後ショッテントーアにあるベートーヴェンのパスクァテラハウスヘ
ウィーン大学の向かい側の奥まったところにあるアパート
パスクァテラハウスの5階がベートーヴェンの住まいだった。
引越し魔のベートーヴェンはこのアパートがとても気に入っていて、
あちこち住まいを変えても必ずここに戻ってきていたらしい。
街中にあって便利だったのからか、アパートからの景色が良かったからなのか
真意はよくわからない。気まぐれなベートーヴェンらしい。
ちょうど真向かい向こうにウィーン大学が見える。
ウィーンにくると必ず訪れるが大学の美しい中庭は
今、工事中のため入れない。ちょっとがっかり、、
ちょっと雲行きが怪しくなってきました〜
ウィーン大学前ショッテントーアからトラムに乗り終点グリンツィングへ
グリンツィングには沢山のホイリゲが立ち並ぶ(写真)
今回はここから更にバスでカーレンベルク行きのバスに乗る。
グリンツィング
カーレンベルク行きのバス停前
カーレンベルク行きのバスに乗り、一つ手前のコベンツルの丘でおりました。
ここ数年カーレンベルクの丘はビルやレストランが建ち、観光客も増えて昔の面影をあまり感じられなくなってきた。カーレンべルクを過ぎたレオポルツベルクの丘へ行くか、手前のコベンツルで降りて景色を楽しむのがいい。季節にもよるが、この日コベンツルで降りる人は住人以外はほとんどいなくて展望台からは、手前に葡萄畑となだらかな丘、遠くにはウィーンの街を望み、この景色を独り占め〜。ちょっと寒かった!
コベンツルの帰りの途中、フロイト博物館(←クリック)へ立ち寄る。
1976年公開の映画「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」の中で
コカイン中毒で余命幾ばくもなくなったホームズをワトソンが
ウィーンのフロイト博士のところへ連れて行くという話があったので
一度訪れてみたいと思っていた。
診察室のある二階へ上がる階段
廊下突き当たりにある美しい幾何学模様のステンドグラス
市内に戻り、カフェ・ザッハーで休憩。
お隣席のおばあちゃまのメランジュが美味しそうだったので私も同じものを注文。
おしゃべりしている様子がとても微笑ましく、羨ましいほど素敵な雰囲気でした〜。
午後のコンサートに備えて、少しでも体を休めるために一度ホテルに戻る。
ムジークフェライン
コンサートが始まる前に窓口で予約のプリント提示してチケットに替えてもらう。
記念に、、
始まる少し前にシュプリッツァーをいただきま〜す。
20分前なのに結構ぎりぎりにならないと皆さん入って来ません。
本番直前まで練習していた素敵な若いチェリスト
ネットで毎日チケットの売り出し開始を見ていたのに、開始同時にあっという間にチケットが無くなり、残り6席のところではあまり良い席が無く、舞台近くの席は嫌だなーと思ったが折角なのでチェロ側の前から2列目を取った。ステージと客席が近く演奏者がよく見えてなかなか面白かった。
エンドピンがチタンやカーボンではなく、どう見てもステンレス素材に見えた。「弘法筆を選ばず!」と言ったところかな。ウィーンの街が乾燥していることもあるかもしれないが、よく鳴る楽器でした!
トーンキュンストラーオーケストラ
昔このオケのCDを聴いたことがあって一度生で聴いてみたかったオーケストラだ。
プログラム
シベリウス:幻想交響曲 op.49「ポポヨラの娘」
ルトワフスキ:Vcと管弦楽のための協奏曲
シベリウス:シンフォニー No.5
指揮:タビタ・ベルクント
Vc:ニコラス・アルシュテット
演奏:トーンキュンストラーオーケストラ
日本ではなかなか聴けないプログラムだ。出てくる音の温かさ、パートごとのまとまりが素晴らしくてまるで一つの楽器のように聴こえる。若い女性の指揮者は夜会巻きの髪型に後ろが膝までスリットの入った黒いロングドレス。とても分かりやすい指揮だった。ミーシャ・マイスキーを若くしたような風貌のチェリスト、ニコラス・アルシュテットは弓の毛をバシャバシャ切って演奏していたのにはびっくり!10本以上は切れていた感じ。オケは溌剌と力みが無くおおらかなで気持ちの良い演奏でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿