2024年1月19日金曜日

ソル・ガベッタ

午後、暫くぶりにソル・ガベッタの CD を聴いた。

 1970年代、私がまだ20代だった頃、イイノホールだったと記憶しているが、フランス人チェリスト、レーヌ・フラショーのチェロリサイタルを聴きに行ったことがあった。何の曲を演奏したかもはっきりと覚えていないけれど、ステージに現れた背の高い女流チェリストは夜会巻き風な髪型と色は覚えていないが、シフォンのドレスに身を包み、優雅で大人の雰囲気を漂わせてステージに現れたのを薄ぼんやりと覚えている。

弾き始めると優雅な雰囲気とはまるで正反対の男性的な力強い演奏に圧倒された記憶がある。一気に虜になってしまった。その頃、彼女は芸大で教えていたようだが、録音も殆どなく、彼女自身おそらく自分の演奏を残したくなかったのではないかと思う。YouTubeで少し聴ける程度でとても残念だ。

2009年にムジークフェラインの大ホールで聴いたアルゼンチン出身の女流チェリスト、ソル・ガベッタの演奏を聴いた時、レーヌ・フラショーを思い出した。少女のような可愛らしい顔立ちで雰囲気こそ違うがノースリーブのふんわりドレス。でもいざ演奏が始まるとアスリートのように盛り上がった肩の筋肉と男勝りのとても力強い演奏だったのだ。


オケはウィーン交響楽団、指揮レナード・スラトキン、チェロ ソル・ガベッタ。曲目はショスタコヴィッチのチェロコンチェルト2番、とドヴォルザークの9番だった。ドヴォルザークが霞んでしまうと思うほどの勢いのあるショスタコヴィッチ、魂のこもった素晴らしい演奏だった。アンコールはこれまたびっくり!自身の作曲で歌いながらチェロを演奏し始めたのには驚いた。なにしろ声も素晴らしかったのだから、、、すごい人が出てきたものだと思ったものだった。ホールで求めたCDを聴いてコンサートの時の様子が蘇ってきた。

以前、ひょんなことからある人の紹介で、レーヌ・フラショーに師事していた方のお宅にレッスンに通ったことがあった。その時感じたことはことは、テクニックだけではなくて、どういう「センス」を持った先生かということ。その教わったことは私にとって今、大切な財産になっている。 一人の先生から教わることは結構限られているから、違うセンスを求めて教わるのは表現の幅を広げるためにはとても良いことだと思う。

通院している病院から再検査の連絡あり、、

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