2014年10月24日金曜日

旅のお話3

日目
6時半起床。まだ夜が明けないパリの朝。カーテンの隙間から外を見ると、雨が降ったのか歩道が濡れていた。寒そう。今日は、パリの南西80キロにあるシャルトルを訪れる。

モンパルナス駅 、                ル・マン行き(TER)

サン・ラザール駅からモンパルナスまで行き、そこから9時06分のル・マン行きのTER(国鉄ローカル線)に乗り換え10時07分にシャルトルに着いた。「ル・マン」で思い出すのが、ポルシェに乗ったカーレサー役のスティーヴ・マックィーンが主演の「栄光のル・マン」。時刻表のル・マン行きの文字を見ただけで何となくノスタルジックな気持ちになった。シャルトル駅の外に出るとすぐ通りの向こうにノートルダム大聖堂(通称:シャルトル大聖堂)の非対称の尖塔が目に入った。寒いのでホッカイロが役にたった。駅前から正面のゆるい坂道を歩いて行くと観覧車のある公園に出た。行き交う人もまばらで閑散とした小さな町。

駅前通り、黄葉した美しい木々

 広場の向こうに見えるノートルダム大聖堂

広場を通り抜けて左に進んで行くと間もなく大聖堂が目の前に現れた!大きい!その大きさに圧倒され一瞬立ち尽くした。後ろには10人ほどの旅行者を案内しているフランス人ガイド付きのグループが一組いるだけ。よく言えばのどかな町。寒いので早速、聖堂に入る。修復工事中で布が張ってあるせいか中は薄暗く、床の石もデコボコしていてその古さを感じさせる。シャルトルブルーと言われるステンドグラスや彫刻など目をみはるほど素晴らしいものだったけれど、全体としては外観も聖堂も寂しい雰囲気のする今ひとつ決め手に欠けた世界遺産という印象だった。でも、ここシャルトルから1878年に日本にやってきたマ・スールたちが「白百合」を設立したのだと思うと感慨深いものがあり、やはりきてよかったと思う。

尖塔:左が16世紀に造られたゴシック、右が12世紀にできたロマネスク

シャルトルブルーといわれるステンドグラス

ステンドグラスの窓って開くのね!

繊細な彫刻

聖堂脇から裏手に回ってみるとそこから見える街並みがとても美しく感激! f さんもここからの景色が気に入ったみたい。みな写真を撮り始めるが寒くて長い時間外に居たくないので、お昼にしましょうと近くのレストランで食事をすることに。

レストランの看板






月曜日で残念ながら休館日だったシャルトル美術館
聖堂裏の並木

開店時間ちょうどでまだお店の中が温まっていなかった。私の椅子だけプラスティックだったからお尻の冷たいこと。わたしの注文した野菜スープは量もたっぷりで温かく骨身にしみる味だった。食事の話の後に変な話だけれどこのレストランのお手洗いが面白かった。水を流すと、下と上に分かれてスーッと水が流れて、つまり座る部分も(あえて◯◯とは書かない)きれいに洗ってくれるのだ。こんなの見たことがない。入った f さんと妙に感心する。さて、体も温まったところで、ふたたび外へ出てお隣のアンティークの店で花の描かれたハガキを数枚購入し早々に駅へ向かった。



予定より早いTERに乗って、モンパルナス駅へ戻ってきた。大きな駅なので人も多く、スリに気をつけながら歩く。当初の予定ではシャルトル観光で1日過ごすはずだったけれど時間ができたので、一度ホテルの戻って休憩後、明日以降に予定していたパリノートルダム大聖堂を急遽織り込んだ。その前にミケッレさんがホテルで休んでいる間、歩いてギャラリーラファイエットの食品館へ行き、ハーブ入りお塩やトリュフ入りマスタードなど購入、m さんが探していたレクレール・ドゥ・ジェニーのエクレアを見つけ4個買いホテルへ戻る。

ギャラリー・ラファイエットで
絵画でしか見たことのないような美しいぶどうを思わず買ってしまった。
皮ごと食べられて甘くとても美味しい!

何種類もある中から選ぶのに迷ってしまう。エクレア専門店

いい香りの香辛料の量り売り場、色とりどりで綺麗!

小休止の後、ミケッレさんも一緒にシテ島のノートルダムへ。個人的にはこの教会のほうが落ち着く。他のみんなもそう思ったみたい。なにやら後ろで m さんが東洋系の男性に写真を頼まれていた。(真面目な好青年という感じだから、多分台湾の人じゃなーい?と話がまとまるるのがなんとも可笑しい)とても感じかよかったので今度は私たち家族もお願いして撮ってもらった。聖堂に入るとオルガンの調律の音が聞こえる。どうやら今晩この聖堂でパイプオルガンコンサートがあるということだった。

マリー・アントワネットが投獄されたコンシェルジュリーが後ろに見える


唯一4人そろった写真
早くにシャルトルから戻って来られたのがラッキーだった。ブルックナーが演奏したことのあるこのパイプオルガンがどんな音色かここまできたら聞かなくては、ということになり時間も中途半端だったのでまたホテルへ戻る。軽く腹ごしらえをして、夜、8時からのコンサートへ出かける。サクレクールとはまた違うドイツ的というのか正統的な重厚なオルガンの響き。ミケッレさんはブルックナーと重ね合わせてその音に浸っているようだった。充分満足な一日だった。
旅日記10月7日へつづく

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