2014年10月17日金曜日

旅のお話2


そろそろサマータイムが終わるこの季節、パリの朝は暗かった。小さくてちょっと使いづらいバスタブに目いっぱいお湯を入れて、ゆっくりお湯に浸かりリフレッシュ。7時半に地下でビュッフェの朝食をとった。ここはイギリス系のホテルだからか設備も食事もとても質素。ホテルを楽しむという雰囲気ではなく、泊まるだけの宿と考えたほうが良さそう。今回はちょっと外れちゃったかな?
日目 6時半起床 曇り



さて、ホテルを出て目の前のサン・ラザール駅から乗り換えなしで、まずはモンマルトルへ。

サクレクール寺院からパリ市内を一望。
ビッグサイズのホットドッグを皆でほおばる。中のソーセージが美味しかったー!

サクレクールでは思いがけず音楽ミサに参加するという貴重な体験ができた。写真撮影は禁止だったので残念ながら中の様子を撮ることはできなかったが、おそらくこれほど素晴らしいミサに預かることはこれからもないかもしれないと思ったほど。寺院の中央の丸天井に描かれた十字に手を広げたキリストを眺めたり、祭壇を前に静かに心を落ちつけたり皆それぞれの思いで椅子に腰掛けその場の空気に浸っていると、少しづつ人が増えてきて、やがて荘厳なパイプオルガンが聖堂に鳴り響いた。その繊細で重厚な音色に鳥肌がたった。続いて祭壇前に指揮をするシスターとその脇に6、7人のシスターの素晴らしい歌声が響く。サウンド・オブ・ミュージックの慈悲深い修道院長役のペギー:ウッドが歌った「すべての山に登れ」を思い出した。神父様のお説教以外は全てが音楽で進行されていく、こんな経験は初めて。素晴らしいコンサートを聴き終えたような充実した時間だった。パリまで来た甲斐があったと思えた瞬間だった。

エリック・ サティの住んだアパートとプレート。

寺院を出た後は前回休館日で入れなかったルノワールやユトリロ親子はじめモンマルトルを愛した芸術家たちが住んだ館を見学。遥か19世紀の昔に想いを馳せ、タイムスリップしたような気分を味わう。

モンマルトルミュージアムの中庭、この館にルノワールやピカソが暮らした。

庭の木を支える鋳物でできたハープ型の支柱も芸術的な感じ。
多数のロートレック絵画、ポスターなどを鑑賞、ついでに署名もして。ワァー⚪️眼鏡忘れてきちゃった〜!
もしかしたらこのピアノをサティも弾いたのかもね?なんて想像を膨らませて


ダリ美術館は以前にも興味深く面白かったので、ここだけは外せないと再びと訪れた。何度見ても面白い!どこからこんな発想が生まれてくるのか、ダリの頭のなかを見てみたいと思うほど不思議な世界だ。

人間の体に動物の頭がついていたり、電話の受話器がオマールエビだったり、インスピレーションで創作しているような、、、。あの独特なひげを見てもどこか憎めないお茶目な人だったのではないかしら?
右は芸術家たちが集ったといわれるラパンアジル。


食事をしたレストランとドームのランプ
お昼はモンマルトルのレストランに入り、とりあえずワインで乾杯!食事はサラダ+メイン料理にして皆それぞれ好きなメニューでお腹を満たす。サクレクールからケーブルカーで下りたところにアンティークショップがあった。大好きなドームのランプが目に入ったが外からウインドウの中を眺めるだけ〜。この暖かい色といい、形といい、夏の暑い夜にアンティークなテーブルなんかに置いたら映えるだろうなー!素敵だなー、後ろ髪が引かれるー!せめて写真に残しておきましょうか。溜息・・・・

この日の締めくくりは市内にあるステンドグラスの美しいサントシャペルでのオールバッハのヴァイオリンソロのコンサート。チケットは日本で取ってあったので30分くらい前に行くと門の前には長蛇の列ができていた。セキュリティーが思いの外厳しく、バッグの中をしっかりチェックされた。ベルトラン:セヴェラさんという当地ではきっと名の知れたヴァイオリニストだと思う。日本には来ないけれど、こういう素晴らしい演奏家がヨーロッパにはごろごろいるのですね。曲の合間にベルトランさんの解説の入るカジュアルなコンサートだった。曲の解説している時、客席から質問が出たことに驚いたが、それにちゃんと答えているところが自然で好感が持てた。暖かい音色と人柄が感じられる良い演奏会だった。実り多き一日となった。

     夜のサントシャペル  街で見かけたベルトランさんの別な日の演奏会ポスター

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