2020年9月7日月曜日

ハイティンク

昨日、たまたまテレビをつけたらザルツブルグ音楽祭2019 をやっていた。聴きたかったコンサートだ。昨年90才で現役を退いたベルナルト・ハイティンクの指揮。オケはウィーンフィルで1曲目はベートーヴェンのピアノコンチェルト4番。エマニュエル・アックスのピアノはまるで軽音楽を聴いているようなピアノのタッチと心地よいテンポ感。アッサリかる〜いベートーヴェンもありですね!

2曲目はミケッレさんの好きなハイティンク指揮でブルックナー7番。この7番はよく自室から聴こえていた。そっと部屋を覗いて見ると指揮をして楽しんでいるミケッレさんの姿が今も目に浮かぶ。

去年、これまでミケッレさんが辿ったブルックナーを巡る旅を子供たちと計画。ウィーン到着日に綱渡りでぎりぎりザルツブルグに入れるかもしれなかったけれど、万一列車に乗り遅れでもしたら聴けない、、、と悩んだ末に断念したコンサートだった。(その代わりコンセルトヘボウでブルックナー8番が聴く)

杖をついて舞台に現れ、ゆっくり指揮台に立つハイティンク、引退を表明したその姿に涙が出そうになった。
ブルックナーの独特の「霧」のような響きが心地よい。2楽章が終わった直後に『なかなか良かったよ!』と目配せするハイティンクの表情がステキだった!そして、2楽章から3楽章に入った瞬間の温かく包まれるような響きが何ともいえずいい。まさに天国に連れてってくれそうな響き。


そして演奏が終わったあとの余韻と沈黙!しばらくして会場から温かい拍手が湧き起こった。鳴り止まない聴衆からの感動と労いの拍手に嬉しそうにかすかに微笑むハイティンク、杖をつき、聴衆に応えて何度か舞台へ、最後には奥さん?に支えられゆっくりと舞台を後にした。それにしても90才のハイティンクはカッコ良かったし、凄い指揮者だなぁと思った。

昨日は思いがけなく聴きそびれたコンサートが聴けた事と子供たちとLineでミケッレさんの思い出話をしながら聴くコンサートはとても幸せな時間になった。ミケッレさんにもきっと届いていたよね。

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