この間の「夜と霧」を読んだ事で、いったいそのときのベルリンフィルはどうなっていたのか気になって、ベルリンフィルのインターネット配信から『第3帝国とベルリンフィル』を見てみた。それまで会社組織だったオーケストラが国有化になり、そのかわり戦争に行かなくても良いということ。
当時のメンバーOBのインタヴューが中心の1933年〜47年にかけての団員達の苦しい物語ドキュメント。ユダヤ人メンバーの自主的または強制退団。ナチスの党員になったメンバーから行動を見張られたり。
そんな中、結束した少人数の人たちのささやかな抵抗。それは数人のナチス団員とは口をきかない事。せめて助かった半ユダヤ人は自分たちが守る事。
そして彼らの保護者だったフルトベングラーはナチスと思われて戦後数年間、指揮活動が出来なかったり。
その当時コンサートマスターだったユダヤ人ヴァイオリニストのシモン・ゴールドベルクさんが晩年、音楽評論家の山根銀次の姪でピアニストの山根美代子さんと送った、たった5年間の結婚生活。
そして、野村胡堂記念館にこのゴールドベルクさんの演奏したレコードが残っている事も分かった。1934年の録音だから、国外に逃れる直前か、逃れて間もないころの演奏なのだと思う。ベートーヴェンの弦楽トリオでそのメンバーがすごい!ヴィオラがあのヒンデミット、チェロがまたまたすごくて、フォイアマン。どんな演奏なのか聴いてみたい。CDも出ているらしいけど、あらえびす記念館近いし、お願いしたら聴かせてもらえないかしら。
また最後の5年間を共にした山根美代子さんとのCDもあるようなのでこれもぜひ聴いてみたい。大変な時代を生きた音楽家の人間模様を垣間みたようだった。
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