2015年10月19日月曜日

旅のお話6

7日目
6時半起床、晴れ 気温19℃
午前中はフリータイム。夜は市内の教会でカルテットのコンサートに出かける。

私はウィーンの北にあるベートーヴェンとホイリゲの街、ハイリゲンシュタットへ。ここへ行かないとウィーンに来た気がしない。

ショッテントーア駅のお花屋さん

ショッテントーア駅から
ヴォーティフ教会が見える

37番 ホーエ・ヴァルテ行きに乗る


終点ホーエ・ヴァルテで降りて、目の前のハイリゲンシュタット公園を下っていくと坂の途中にシルクハットを持った手を後ろに組み、5線譜をポケットに突っ込んで散歩している姿のベートーヴェン像に出る。さらに道なりに歩いて行くと左に聖ミヒャエル教会が見えてくる。

ベートーヴェンはこの教会の鐘の音が聞こえなくなって絶望したと言われている。

教会の通りを過ぎていくと手前にアインシュタインが住んだ家、
3件向こうにベートーヴェンが「田園」を作曲した家がある。

「田園」を作曲した家

ベートーヴェンが遺書を書いたと言われる家
来るたびにピカピカになって
昔の面影を想像するにはきれいすぎる感じ。

グリンツィングに次いでホイリゲの多いハイリゲンシュタット。
通りにはもう「シュトルム」がありますの看板が出ていた。

マイヤー
プファール広場に出ると、ここにもベートーヴェンが2ヶ月住んだ家がある。今はホイリゲになっていてアーチの門をくぐると中庭にブドウ棚があって、その奥の階段を上がった2階にベートーヴェンが第9の終楽章を完成させた部屋があるらしいが、そこは見ることができない。
ここハイリゲンシュタットだけでも4ヶ所も住まいを変えているベートーヴェン。このマイヤーもたった2ヶ月なんて、よほど環境に左右されやすい性格だったんじゃないかしら?そういえばコーヒー豆も60粒って決めてたそうだから、几帳面というか神経質というか、こだわりを持っていた人だったんでしょうね。80回以上も引っ越しを繰り返したらしいけれど、そのおかげで多くの観光名所を作ったことになる。

「マイヤー」を過ぎて北のほうにのんびり歩いていくと、通りの向こうにブドウ畑が見えてくる。ここからの眺めもとても好きな場所だ。
この三叉路の右に曲がる通りは、来るたびに時間がなくて行ったことがなかったが、この方向にもベートーヴェンの家があるらしいので歩いてみた。朝の眩しい光と背中にあたる太陽が暖かくて気持ちがいい!

あった!プレートには1817年の夏にベートーヴェンが住んだと書いてある。
こじんまりしたロココ風の飾りのついたきれいな家だった。
空気も美味しいし気持ちがいいので、更にその先をぶらぶら散策する。


昔はこんなに家も多くなかったでしょうけれど、どの家も景観を大事に
ゴミひとつ落ちていないのは羨ましい。
どこを歩いてもすっきりしていて調和がとれているのは美意識の違いでしょうね。

三叉路に戻ってまっすぐ北に歩いて行くと、目の前にブドウ畑がみえてくる。
またここに来られて嬉しい!それにしても駐車している車の多いこと!

ベートーヴェンガング入り口

ベートーヴェンの散歩道
傍を流れる小川のせせらぎの音を ” 感じながら ”
「田園」の楽想を練ったのでしょうか?

散歩道の木の枝にどんぐりをくわえたリスさんが、、、。
さてどこにいるかな?


見晴らしのいい丘の上のぶどう畑
ここからウィーンの街が見える。






たわわに実ったぶどう。

プファール広場
マイヤーに隣接した小さな教会でミケッレさんと待ち合わせ

広場の隅にあるレストランの看板もやっぱりこの人の顔が、、、。


遺書の家
アーチの門をくぐると石畳の中庭に出る。
左の階段を上がるとベートーヴェンの部屋がある。

井戸のある遺書の家の裏庭

裏庭には、まだ青い梨が枝にぶら下がっていた。

喉も渇いてきたので、グリンツィングでまたまたシュトルムを飲み〜。

ハイリゲンシュタットの帰り、今年創立650年のウィーン大学に立ち寄る。

大学の入り口

ウィーン大学の中庭
パンをかじりながら読書する人、芝生に座りパソコン広げて勉強する人、昼寝する人、
みんな思い思いにいい時間を過ごしている。青春いいなー。

ウィーン大学の創立650年を記念した面白い形の移動販売車

以前、この大学のメンザ(学食)で食事をしたことがある。最上階にあるメンザに行こうと下からくるエレベーターを待っているといきなりドアのない「箱」が目の前に現れた。何の前触れもなく突然に人の顔が下から上がってきたからビックリ。しかもこのエレベーターは階ごとに止まらないで常に動いているので、乗り降りするとき待ち構えていてタイミングよく乗らなければならないのだ。このあまりのおおざっぱさに大爆笑した。
その後、危険ということで改良されたと聞いた。       

少し疲れてきたので、ホテルに戻って休むことにした。

匂いに誘われて〜。
そろそろこんな食べものが恋しくなる。
ショッテンリンクでアジア系の人が作る焼きそばを買って
ホテルで遅いお昼にしました。

午後、ミケッレさんを部屋に残し、いざ、ケルントナーとグラーベント通りの角にあるアウガルテンへ。おめあてのウィンナーリーフエッジの小さなプレートを一枚購入。義父に綺麗な水色の冬用ロングスカーフ、そしてドブリンガーでは m さんに教会で使えそうなパイプオルガンの楽譜、私は気軽に弾ける独奏用の楽譜を買いホテルに戻った。やっぱりこういう時間が女性は楽しいのです!

アウガルテン本店
webからお借りしました。

夜はケルントナー通りから脇に入ったところにある聖アンナ教会でのカルテットのコンサートに出掛けた。

クラシック・エクスクルーシヴカルテット
プログラム
モーツァルト:kv3 87 " 春 "
ベートーヴェン:op.18 - 4

2曲とも清潔感があって清々しい演奏だった。メンバーはオーケストラに所属しながら活動しているようだ。たまたま2曲とも弾いた曲だったからよけいに楽しく聴くことができた。ヨーロッパに来るとこういう教会やホールは石造りが多いので、コンクリートと違った自然な響きを感じる。皆、楽しそうに演奏しているのを見るのは気持ちがいい。そしてカルテットの重厚な響きを心ゆくまで堪能した日だった。

際壇の上に描かれた天使たち

穏やかな色合いの天井画

脇天井に描かれた美しい花の画

宗教絵画はたいがい色合いの濃い絵が多くて、頭が痛くなることがあるけれど、この教会の絵画は全体が淡い彩色で描かれていてとても温かい雰囲気がして心地いい。今まで見てきた教会の中ではおそらく一番に好きな教会。

今日も実り多き一日だった。
別行動のミケッレさんの分がまだあった。
つづく


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