2015年8月23日日曜日

余韻

腰の痛みがなかなか治らないので、明日病院で診てもらうつもり。立ったり座ったりのなんでもない動作が辛くて、なるべく外に出ないで家でじっと安静にしていることが多いこの頃。

そういえば、まだ全部は聴いていないベルリンフィルのデジタル配信コンサートを聴こう。そう思ってここ数日聴いていたら、これが宝の山だった。今までは好きな曲や演奏家、指揮者を選んで聴いていたから、一部のコンサートしか聴いていなかったことになる。たまたま 帰省していたクラシック好きな f さんに合わせて、普段はあまりにもポピュラーで殆ど聴かないドヴォルザークのチェロコンチェルトの聴き比べをしたり、聴き逃していたフォーレのレクイエムを聴いたりして過ごした。

スティーブン・イッサーリスの迫力ある演奏は見ても聴いてもたのしく、指揮者のアラン・ギルバートをそっちのけでぐいぐいオケを引っ張っていくテンポ感や余裕のあるノリノリの表情が凄かった!もうひとりのチェリストはイッサーリスの教え子のミュラー・ショット、とにかく音色が美しかった。ただ美しいだけでなく、真摯で一音一音丁寧な歌い方に共感が持てた。これからが楽しみなチェリストだ。こちらも指揮者は同じアラン・ギルバートだったけれど、もしかしたらイッサーリス先生の口添えだったのかもね?
(昨日)
マッキントッシュがちらほら咲き始めている。

今日は午前中からラトル指揮でフォーレのレクイエムを聴いた。終わってからの長〜い余韻。胸に持っていった指揮棒を両手で交差し演奏を終えた余韻に浸り、満足げな表情が印象的だった。何かあったの?と思うほど長く静寂に包まれた会場。静かなそして温かな拍手!涙が出そうだった!特にバリトンのクリスティアンさんの張りのある、でも穏やかでどこまでも温かな声、ソプラノのケイト・ロイヤルさんのなめらかで包容力のある美しい声。ソプラノではなく子供が歌うビブラートのかからない天使のような声で歌われるのも好きだけれど、これはこれで慈愛に満ちたマリア様が歌ってでもいるかような素晴らしい声に聴き入ってしまった。そしてこのフォーレのレクイエムを聴きながら最後を迎えられたらと思ったほど素晴らしい演奏会だった。

つぎに聴いたのがチェリビダッケの指揮でブルックナーの7番。ベルリンフィルと喧嘩別れして38年ぶりに和解し、1992年に最初で最後の一度きりのコンサートがドイツで演奏された貴重な映像。ただでさえ長いのに、眠くなるほどゆっくりしたテンポで聴き疲れてしまった。この指揮でよくみんな出られるわねー、というくらい棒の動きが小さくて点がわかりずらい。途中、オケに任せて指揮棒を右手から左手に持ち替えて ニヤッと頬笑みながらじっとオケに耳を傾けたり、ところどころみせる自意識過剰にも見えるパフォーマンスが目につく。一世を風靡した指揮者だけれど、凡人の私にはよく理解できなかった。


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