2022年7月10日日曜日

青春

映画「エルビス」を観てきた。70年代のリアルタイムでエルビスを聴いていたので主演のオースティン・バトラーではエルビスのカリスマ性が生み出されていないし、モノマネとしてはとても上手かったが役不足でちょっとガッカリ。エルビスの動きも誇張されすぎていたし、音量も大きすぎて数秒ごとにコロコロ変わる画面も気持ちが悪くなって前半は眠ってしまった。帰宅後、何年かぶりに彼の全盛期のビデオ、オンステージを見て過ごした。

70年のラスベガスでのライブビデオ

高校時代、後輩の家に遊びに行き、後輩のお兄さんの部屋にあった「この胸のときめきを」のレコードを聴いたのが最初だった。親世代の1950年〜60年代にかけてのハウンドドックの頃のエルビスではなく、私が好きだったのは70年前後から始まったエルビスの黄金期とも言えるラスベガスでのオンステージやインハワイのコンサートだった。68年にトム・ジョーンズがラスベガスで公演した時、このコンサートを聴いたエルビスが大きく影響を受け、その後の彼のステージスタイルが変わリ、この時以来エルビスの亡くなるまで二人の親交が続いた。

エルビスオンステージの映画が上映された高2の夏休み、一つ年上のピアノ科の先輩と4日間映画館に通った。昔は一日3回の上映でそのまま居ることができたので、結局一日中映画館にいて3回観ていた。その後オンステージのレコードを買い、擦り切れるほど聴いたのだった。

素晴らしい黒人のバックコーラス、スィート・インスピレーションズの中にはホイットニ・ーヒューストンのお母さんシシィ・ヒューストンがいたし、有名なロックギタリストのジョン・ウィルキンソンやジェームス・バートンがいた。凄いメンバーが揃っていたし、エルビスも曲を仕上げるためのプロデュースもしていたのだから本当に心から音楽を愛していたのでしょう。

体の動きや派手な衣装ばかり取り上げられるが、歌のセンス、うまさ、声、エンターテインメント全てにおいて素晴らしかった。リハーサルなどで見せる音楽に対する真摯な気持ちやお茶目な一面も彼の魅力だったし、女性だけではなく男性にもファンは多かった。イタリアの友人はエルビスのハンカチを持っていると自慢していたけれどとても羨ましかった!

「君を信じたい」「20昼夜」「マリーインザモーニング」「去りし君へのバラード」など沢山の素晴らしい曲があるのにあまり表に出てこないのがとても残念。
 

いろんな人が真似て歌うけれど、エルビスが唯一無二の存在であることは間違いないし、今回の映画を観たエルビスを知らない若い世代の人達がこれがエルビスと勘違いしないで欲しいとつくづく思う。

しばらくは懐かしんで聴きますか。

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