きのうルーマニア出身のピアニスト、ラドゥ・ルプーが亡くなったったというニュースが飛び込んできた。76歳だった。長いこと病気だったことも2019年に引退したことも知らなかった。物静かな雰囲気、エレガントで感動的な演奏が大好きだった。
今から34年前の1988年10月、シカゴシンフォニーの
オープニングコンサートでのスナップ
ルプーを生で聴いたのがこのとき初めてだった。ブラームスのピアノコンチェルト1番、
バレンボイム指揮、オケはもちろんシカゴシンフォニーオーケストラ。
以前にも書いたが、この年のオープニングということでスポンサーや新聞記者などの招待客でホールは埋め尽くされ、皆ブラックタイの正装だった。コンサートが始まる直前に総立ちになりアメリカ国歌を斉唱するという初めての経験をした。それなりの格好で行ったものの、ほとんどが正装という中で私たちはちょっと浮いていたのが少し恥ずかしかったことを覚えている。
休憩時にバレンボイムがロービーに出てきてスポンサーらしき人々と飲み物を片手に歓談している姿が印象的だった。
後半のブラームスのピアノコンチェルトは本当に素晴らしくて鳥肌が立った。力強く、繊細で魅力的な音は今でもはっきり覚えている。このコンサートのもう一曲がなんだったか覚えていないくらいルプーの演奏が印象的でこの曲だけが記憶に残っている。
そのラドゥ・ルプーが昨日スイスの自宅で亡くなったというニュースには本当に寂しく悲しい。
シューベルト:ピアノソナタD.664から1st
祈り
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