そのころ飼っていた毛足の長いハムスターの”モック”を主人公にして、小学生だった mさんが画を、私が物語を書いた合作品。なくさないようにブログにも残しておこうと思う。
「モックの冒険」
ハムスターのモックは、まいにち "おり" の中でたいくつしていました。
ある日、毎朝お水を取りかえてくれる女の子が "おり" のふたをしめ忘れてしまいました。モックは "おり" の外へ出たことがなかったので、外へ出られると思ってうれしくてドキドキしました。そして日がくれるのを待ちました。やがて夜になり、モックはだいこうぶつのヒマワリのタネをできるだけたくさんほっぺたの中につめて、みんながねしずまってから、そーっと "おり" の外へ出てみました。
シーンとしてもの音ひとつしません。あっちこっち出口をさがしていると、女の子のへやの窓がすこしあいているのが見えました。モックは女の子が起きないように、しずかにかべをよじのぼって、とうとう窓から外ヘ出てしまいました。モックはこれで自由になったと思うとうれしくてうれしくて、ピョンピョンはねました。
そして、さっそく家のまわりをグルグルまわってたんけんしていると、大きなねこにバッタリ会ってしまったのです。そのねこはこの町にすんでいるねこたちのボスで、
名前を "どらねこチョビ" といってみんなにおそれられていました。はなの下がちょびひげのように黒いのでみんなにどらねこチョビとよばれていたのでした。
でも、生まれてはじめてねこを見たモックはいつもはひとりぽっちでさびしかったので、お友だちになりたくて「こんにちは、いっしょにあそぼう!」と声をかけました。
おなかをすかして何日もたべものをたべていないチョビは、とつぜんおそろしい声で
「まるまるとふとったおいしそうなねずみめ、たべてやる〜!にや〜お〜!」とさけびながらモックをおいかけてきました。
なにがなんだかわからないままモックは、ただただこわくていっしょうけんめいにげました。バラのとげの中をくぐりぬけ、たかいへいをとびこえて、ずーっとずーっとにげました。
やっとのことでどらねこチョビからにげたモックはつかれはてて、いつのまにか、くさむらでぐっすりとねむってしまいました。気がつくとおひさまが出ていて朝になっていました。
目をさましたモックは、とおりのむこうに見えるすんでいたにわのほうをながめていると、どうしたことでしょう!あのおそろしいチョビがへいによじのぼり、
大きな "かきの木" にぶらさがっていることりの家をのぞきこんでいるではありませんか!
ことりたちを食べようと思ってねらっているのです。モックはことりがあぶない!と思いました。なんとかしてたすけなくっちゃ、、、。
どらねこチョビは長いしっぽをたらし、ことりたちのようすを見ています。
ことりたちはこわくてブルブルふるえています。
モックは『そうだ、あのどらねこチョビの長いしっぽに思いっきりかじりついてやう!』と考えました。モックはゆうきをだしてそーっとちかづいていき、チョビのしっぽにガブリとかみつきました。「ギャーオー!いたいよう、いたいよう」とさけびましたが、
「もうことりたちにわるさをしないとあやまるまではなさないよ!」というと
「ごめんね、もうことりさんたちをねらったりしないからゆるしてください」とモックにたのむのでした。
モックはもういいかなと思って、ゆるしてあげることにしました。
それからモックはどらねこチョビを自分をかってくれていた家へつれていき、
女の子にチョビもかってくれるようにたのみました。
そして、チョビもかってもらえることになって、モックもやっぱり "おり" の中がいちばん安全だと思い、また "おり" の中にもどることにしました。
それからは、ときどきは "おり" から出してもらいやさしくなったチョビとなかよくあそぶようになったのです。
-おわり-
m さんと創った大切な童話が見つかって嬉しい。宝くじに当たったと思うくらい嬉しい日。
まだ元気に花をつけてくれている
マーガレットアイビー
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