お盆も近いので、義父の家を訪ねた。
うら庭にあるお茶室
かつて仕舞い、謡、華道、茶道と忙しい日々を過ごしていた今は亡き義母の大切なお茶室。母の辞書には「面倒」という言葉がなかったほど何事も常に努力の人だった。華奢で美しかった母のどこにそんなエネルギーがあったのだろうと思うほど、いつも溌剌としていた。たまに何かでちょっとした失敗があった時には私にさえも少女のように恥ずかしそうな表情を見せる事があった。初孫のmさんが誕生した時にはとても喜んで、どこへでも連れ歩くほど可愛がってくれたものだ。その義母も遠い空の向こうに行っていつの間にか24年になる。
お茶室で行われた夏の朝茶、冬の夜咄などは本当に楽しいものだった。
ここで何度かお点前をさせてもらえたことが今も懐かしく思い出される。
型にはまらない自由な発想を持っていた母は、クリスマスの頃にはお軸の代わりに
床まで付くくらい長いリボンのクリスマスリースを床の間に飾った。
その演出が不思議なほど違和感がなく「洋」の床の間として素敵な空間になったのだ。
時には子供達もここでお茶をいただく事があり、それぞれがロウソクに火を灯しながら
庭を通り抜けてお茶室に入るのはとてもワクワクしたようで、
今もその時の子供達の楽しそうな顔が目に浮かぶ。
そして、にじり口から順番に茶室に入り、ちゃんと正座をして
美味しいお菓子とお茶をいただいたことが
子供達の楽しい幼児体験として脳裏に焼き付いているようだ。
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