この建物は明治時代に建てられた銀行を活用していろんなイベントが行われている。2階にはアップライトのピアノ置かれていることもあって、ちょっとした室内楽ができるスペースがあった。長いこと住んでいるのにここに来たのは、初めて!
プログラムはベートーヴェンの大公とメンデルスゾーンのNo.1の二大名曲。
コンサートが始まったとたん、こういう時に限って急に咳が出だしてなかなか止まらず、退出しようかと思ったくらい。持参した飴玉を舐めているうちに少しづつ咳もおさまってほっ!
楽しいコンサートだったが、ひとつ残念だったのは会場のピアノがアップライト、しかもピアノとしてちゃんと調整されていないようで、ピアニストが実力を発揮できないことと、場所がらか残響音がすごくて、まるでお風呂場で聴いているような感じ。これではピアノをコントロールするのは至難の技。ピアニストは自分の楽器を持って歩くわけにはいかないから、お気の毒でした。
一曲目の大公はチェロは良く鳴っていて、安定感がありしっかり支えていました。全体に弾き始めはテンポが重く感じたけれど、終盤に向かってはいいテンポで収まっていたように感じた。
40才を過ぎていたベートーヴェンが大公を作曲した時はほとんど耳は聞こえていないわけだから、こんな名曲を頭の中で鳴らしていたのはやっぱりすごいと思う。
大公を聴きながらウィーンの郊外にあるハイリゲンシュタットの遺書の家を思い出していた。ここでベートーヴェンは一曲も作曲はしていないけれど、当時ベートーヴェンが使用したピアノと同機種のグランドピアノが2階に置かれていた。
ベートーヴェンの遺書の家のピアノ