2016年12月29日木曜日

旅のお話8

8日目(10月15日)
曇り 6時半起床
ルクセンブルクを発つ日。朝、身支度を整えてとりあえず備え付け冷蔵庫のオレンジジュースで簡単に済ませ、ホテルからタクシーで空港へ向かった。渋滞もなくスムースにルクセンブルク空港に着いた。空港内のショップでお土産のチョコレートを買い、荷物を預けて出発時間までラウンジで朝食を取りながらゆっくり過ごす。

ルクセンブルクは静かな落着いた街だった。




城壁に囲まれた要塞都市ルクセンブルクは、どの国にも左右されることなく堅実に自分たちの暮らしを営んでいるように思えた。最近、中国企業などが入り込んできて、街なかに大きな看板が目立っていたのがちょっと気になった。もう一つ驚いたのが宿泊したホテルでTOTOの温風洗浄付きのトイレが使われていたことだった。日本にしかないと思っていたのが、まさかルクセンブルクで見るとは思ってもいなかったからビックリ〜❗️ここまで来て感激したことの一つがトイレだったなんて。でも、日本のものが使われていたことは嬉しかったですね。

ルクセンブルクでは毎日のようにコンサートに出かけ、ケルンの美術館ではベルト・モリゾの画との出会いと美味しいフランクフルトソーセージ & ビール〜、ボンのベートーヴェンハウス、アールヌーボーの街ナンシー、ゆったりなんて言っていたのに結構ハードになってしまった。そして、今回の旅のキーワードはなんと言っても 寒い!でした。例年はもう少し暖かいようだけど、もし次があるとしたら、もう決して若いとは言えない私たちにとって、絶対に暖かい季節じゃないと動けないということ。

ささやかなお土産も買い、とても充実した気持ちでフランクフルト経由で中部国際空港へ

フランクフルト空港からはシュトゥットガルト放送交響楽団の方たちと一緒の便でした。

さようなら ルクセンブルク、Au revoir!

2016年12月28日水曜日

旅のお話7

7日目
曇り、10℃
いよいよ、旅も終わりに近づいてきた。今日はルクセンブルク市内の小高い丘にある三つのドングリ博物館を見学した後、市内をぶらぶら散策の予定。

三つのドングリ博物館
3日間通ったルクセンブルクフィルハーモニーホールのうら側にある博物館は「三つのドングリ」と呼ばれる要塞。1733年にオーストリアが造ったもので、ドングリの形をした三つの塔のてっぺんはかつては金でメッキされていたそうだ。周辺国のオーストリアやフランス、スペインなどに長い間占領されていたからでしょうか、こういった要塞や幾重にも堅固になっていった城壁を見ると、そのたびにこの国の人たちが辛く大変な思いをしながら生きていかなければならなかったことに胸が締めつけられそうになった。内部を歩きながら要塞都市ルクセンブルクが造られていった歴史が垣間見えた気がした。

大砲や武器、鎧、断頭台まで展示されていた。

伯爵夫人シャルロット(1793〜1860)
展示物の中にはオーストリア、ハプスブルク家の王妃マリア・テレジアや当時のお姫様たちの肖像画が飾られていた。中でもこの美しく優しい眼差しの肖像画が目を引いた。
シレジア(現在のポーランドからチェコのあたり)Schedau 家からレオポルドアンリde wedllに嫁いだ女性。穏やかな中にも芯の強そうな彼女の表情になぜか惹かれてしまう。描かれたのとき何歳だったのか?どんな人だったのか?幸せだったのか?彼女はいったいどんな人生を送ったのかとても気になった。

首元を飾る宝石はアメジストかしら?
ステキー!

29歳でドイツ皇帝になったウィルヘルム2世本人の肖像入りの嗅ぎタバコ入れ。
ダイヤモンドに囲まれた皇帝の専用タバコ入れは女性的とも思えるほど
きらびやかで、なんて贅沢なのでしょう!

大国に翻弄され続けたルクセンブルクが、今や世界でも治安の良い、もっとも豊かな国として発展してきたのは、きっと過去の辛い体験が教訓としてあったからかもしれませんね。


旧市街に戻り、中世の佇まいを残す路地にあるルクセンブルクの
伝統料理が楽しめるこの看板のお店でランチをしたかったのだけど、
あと少しのところでラストオーダーに間に合わず、、、ガッカリ、、

伝統料理は諦めて宮殿の向かいにあるチョコレートハウスの
2階でビールとハンバーガーを頬張る。
お腹も空いていたので結構な量もペロリと平らげてしまいました。

私たちのテーブルから目と鼻の先に宮殿のバルコニーが見える。
庶民的な国ですね。

1階のチョコレートショップにディスプレされていたキュートなクリスマスチョコレート

店内の壁には現在のギョーム皇太子、ステファニー皇太子妃の写真が飾ってありました。
絵に描いたような美男美女カップル!国民に愛されているのですね!


チョコレートハウスの真向かいにある大公宮殿
今は公的な行事にだけ使われているそうだ。

旧市街通り、ロクシタンの入り口のディスプレイもオシャレ!

ナミュールのチョコレート、ケンプラ・コーラーでマカロン、
偶然ラデュレのお店を発見! 2種類の紅茶を購入。
女性はこういう時間が一番楽しいのです!

さいごにオーバーワイズに寄って
それぞれが選んだケーキを買いホテルへ

うら通りにはいるとこんな可愛いレストランが点在している。

ホテルへ戻る途中、コンセルトヘボーのコンサートポスターを見かけた。
曲目は書かれていなかったけれど、ワーグナーのシリーズらしい。いいなー。

通りで美味しそうなきのこのキッシュを買い〜

部屋のテーブルにハンカチをクロス代わりに広げ、
キッシュ & シャンパン&オーバーワイズのケーキで
ミッケレさんのハッピーバースディ♪  おめでとう!
ルクセンブルク最後の夜にお祝いできていい思い出ができました。
さて荷物を整理して帰国の準備。後はゆっくりお風呂に入り
きょう一日の疲れを取って早めに休みましょう。

10時就寝

2016年12月27日火曜日

旅のお話6

6日目
晴れ 4℃
 6日目にしてやっと晴れてくれた。今日はアールヌーボーを代表するエミール・ガレの街、ナンシーを訪ねる。フランス北東部に位置するロレーヌ地方はアールヌーボー建築やマカロンの発祥の地でもある。

ルクセンブルク中央駅のエントランスホールの天井画

ルクセンブルクから9時38分発のRE (急行)で約1時間半

広々としたナンシー駅舎
あっという間にナンシーに着いた。

駅前のおめあてのレストランは満席だったので、スタニスラフ広場近くのレストラン軽い食事をした。もちろんワインつき!

地図を片手に限られた時間で回らなければならいので、ナンシー派美術館とマジョレルの家、サンテプヴル教会を中心に見てまわることにした。

広場のシンボル、ネプチューンの噴水と鉄の門
駅から歩いてほどなくナンシー美術館(ナンシー派とは別)やロレーヌ国立歌劇場、凱旋門に囲まれたスタニスラフ広場に出た。黒い鉄に金色の植物が絡まって、絢爛豪華な門でした。

エレの凱旋門をくぐりカリエール広場を抜けていくと
ブルックナーゆかりのサンテプヴル教会があるはず、、、

サンテプヴル教会
カリエール広場を出て左に曲がるとブルックナーが新しくなったパイプオルガンの記念演奏を行った教会があった。ゴシック様式の尖塔を中心に左右対称のとても美しい教会だった。ただ、残念なことに週に2、3日しか開かないと地元の人から聞いて、この日は教会に入ることができず。
残念そうに教会の前にたたずむミケッレさん
またいつか来ましょうねー!

教会の柵にも植物や曲線を使った
アールヌーボーのデザインになっていました。

教会の美しい通りを足早に駅方向へ向かう。
サムイヨー!

駅裏の路面電車道、電車のポールもユニークなアールヌーボーデザイン。
そして世界でも殆どここだけという珍しい一本線路。

駅の裏側に出たはいいけれど、ナンシー派美術館がこの方向でいいのか彷徨いながら歩いていると、ちょうどこの坂道を下ったところで親切な学生さんらしい男性に道を教えてもらい、方向が正しかったことが確認できてほっとした。


しばらく歩いていくとナンシー派美術館の標識があった。

まるでユトリロの描くモンマルトルの丘の世界に
飛び込んでしまったような白い家並みが続く。


ナンシー派美術館
エミール・ガレのパトロンだったコルバンの邸宅を利用し、
作品の展示をしたのがこの美術館。

館に入ると床に蓮の葉が配置されたモザイクタイルが敷き詰められていた。
家の中はまだ当時の空気感が残っているようだった。

家具や工芸品ほとんどがガレの作品。その繊細な美意識にため息!

階段奥のダイニングルームは圧巻でした!

ブロンズ
この作品好きだなー!

有名な「夜明けと夕暮れのベッド」(1904)

浴室の窓

花や植物をモチーフにした数々の陶磁器やステンドグラスの美しさにため息の連続!
修復中のため全館は見られなかったけれど大満足でした。

中庭


庭の奥には不思議な形のアクアリウムがあった。
中が見られなくて残念だったけれど、
この面白い形を眺めて当時の人々の暮らしに思い巡らすのはとても楽しいものだった。

アールヌーボー巡り、もう一軒のマジョレルの家は全館改装工事のため閉館中だった。
またいつか今度は暖かい季節にゆっくり来られたらいいな。

帰り道、こんなかわいい子供のお店の前を通り、、、

街全体がアールヌーボーの美術館と言ってもいいほど
いたるところでこんな景色が目につく。

大好きな古〜いシトロエンを見つけてちゃっかり記念写真を撮り、、、
タイヤが車体に隠れているのが面白い!

無事にルクセンブルクに戻ってきました。

有意義な一日でした。
11時就寝